▲ 機能的で快適な居住空間の多様性が表出し、新たな「集まって住むかたち」を示す地域のシンボルとなる南側外観
▲ 人々を向かい入れるエントランスホール
ユニットケアを行う地域密着型特別養護老人ホームさくらレジデンスは、愛知県岡崎市の里山を臨む緩やかな丘陵地に位置し、地形に沿って湾曲した交通量の多い旧街道と、せせらぎが美しい於御所川に挟まれた変形敷地にあります。自然に恵まれた周辺環境を生かしながら、入居者が豊かな共同生活を送ることができる空間づくりを目指しました。
旧街道沿いの低層傾斜ボリュームには、地域の人々との接点となる、地域ギャラリーや多目的ホールなどの地域開放スペースを設け、めくれ上がったエントランスの屋根が人々をやさしく迎え入れます。
敷地に沿って徐々に登る屋根は、旧街道の喧噪を遮りながら、人々を落ち着きある各居住ユニットへ誘います。
自然光が降り注ぎ、遠景の緑が見える環境の良い南側には、共用のリビングを設け、全ての個室をリビングに面して配置しました。
入所者が自室に籠らずに生き生きと暮らすことができるよう、明るいダイニングや、アルコーブ状の書斎、座った目線で外の景色が広がる低い窓を設けたソファー、そしてそれらを、交互につなげる台形ギャラリーウォールを設け、各々が自由にお気に入りの場所を見つける事ができる空間としました。
台形のギャラリーウォールを形成する斜め柱は、構造強度を高め、安全性を高めています。
北側は、旧街道の湾曲した敷地に馴染むダイナミックな屋根が、地域の新たな交流拠点しての様相と、落ち着きある生活空間を示唆しています。一方南側は、機能的で快適なリビング空間をかたちづくる凹凸の台形ボリュームと、高さの異なる開口部により、多様性のある豊かな居住空間が外部へと表出しています。
これら2つの顔を持つファサードは、地域に根差した特別養護老人ホームの新しい在り方を示すとともに、地域に親しまれ、地域とともに生活する、新たな「集まって住むかたち」を窺い知ることのできるデザインとなりました。
▲ 木構造現しの多目的ホール
▲ 湾曲した敷地形状に馴染む、旧街道のランドマーク
▲ 第23回愛知まちなみ建築賞 賞状
▼ 陶芸家水野教雄氏作
練り込み技法による記念銘板
▲ 自然光が降り注ぐ1階リビング
▲ 第49回日本サインデザイン賞 賞状
▲ 第23回愛知まちなみ建築賞 表彰作品集
▲ 表彰作品集「さくらレジデンス」紹介ページ
運営法人 | 社会福祉法人さくら福祉事業会 |
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名称 | 特別養護老人ホーム さくらレジデンス |
所在地 | 愛知県岡崎市仁木町字東郷8番地1 |
交通 | 名鉄バス「於御所」下車5分 |
延床面積 | 1,796.29㎡ |
構造 | 鉄骨造 |
愛知県初の厚生労働省通達「特別養護老人ホーム等の2階建て | |
準耐火建築物設置事業」適合の建築物 | |
事業所 | 地域密着型特別養護老人ホーム ノーリフティング実施施設 |
居室数 | 定員40名(以下内訳) |
特別養護老人ホーム 定員29名(全室個室) | |
短期入所生活介護 定員11名(全室個室) | |
開設日 | 2015年5月1日 |